映画「劇場版 艦これ」鑑賞

「艦これ」TVアニメの放送が2015年1月~2015年3月、ブラゲのプレイは2015年春イヴェ(2015/04/28~2015/05/18)が最後なので、かれこれ1年半「艦これ」から離れている。その間なにがあったのか、ほとんどまったく知らないが、やはり見届けねばならないといういわれのない使命感に駆られ、見に行くことに。

劇場に入ると、予想通り男性客がほぼ100%。客入りに関しては、数人かと思っていたが、十数人程度。平日昼間にしては、意外に多いという印象。

上映が始まると、まずはつかみの艦隊戦。お約束ではあるが、劇場版クウォリティの映像、そこに劇場ならではの音響があいまって、かなりの迫力でのっけから盛り上がる。TVでの鬱憤を晴らすかのようで、この部分だけでももう1回見に行きたいと思ったほど。

以下ストーリィはシリアスな展開。後半から終盤の展開に茶番臭はあるが、艦娘と深海棲艦の関係などについても回収し、如月の問題にも決着をつけた。「なぜ吹雪なのか」という点が判らなかったのは少し残念だが……。ま、TV版の負債を返済するお話だったな、というのが正直な感想。TVアニメを見て消化不良になってたり、激怒/落胆してたりした提督は見に行くことで溜飲を下げられる、かもしれない。

ただ、これTVでやれよ、というのはみんな思ったことだろう。よく言えばTV版の落とし前をつけました、ということだが、きちんとまとめられませんでしたってことだし。さらに、もし、万一、万が一、これがTV放映前から想定されていた流れだったとすると、あまりに不誠実というしかないが、さすがにそんなことはないと信じたい。

総評として、(TV版とセットで)見る価値はあった。ストーリィとしても、艦隊戦としても(しかし結局冒頭の夜戦が1番よかったな……)。結局なんのかの言いつつ「艦これ」のファンなんだよね。ただ……次アニメ化することがあるなら、もー1度設定を練りなおして一からやってみてもらいたいとは思う(笑)。

P.S.
今回こそわが嫁艦である長門の勇姿が見られるかと思ったが……無念。

映画『君の名は。』鑑賞

昔語りから始めたいと思う。

俺が「新海誠」を知ったのは、18禁ゲー『Wind – a breath of heart』のOP。たしかネットの掲示板で、「このOP綺麗すぎる」みたいな書き込みに関心を持って、アップされている動画を見たのが最初だった。画面に現れたハーモニカの描き込みに驚かされるやいなや、鳴り始めた前奏とともに次々とカットインしてくる映像に釘付け。見終わったあとも信じられない思いで連続で30回ぐらいは繰り返しただろうか。とにかく背景の美しさが衝撃的だった。

(十数年前のことで定かではないけど、最初に見た動画は違法アップロードだったのかもしれない。ちなみに現在は、公式がYoutubeで公開されている。『Wind – a breath of heart』のOP

それからすぐに『BITTERSWEET FOOLS』のOPも見て(なお両ゲイムとも中古で購入してプレイした。ゲイムとしては……たいしたことなかったかな(笑))、『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』と見てきたわけだけど(舞台挨拶も見に行った)、以降、劇場に足を運ぶことはなくなった。

理由は2つあって、1つは『秒速5センチメートル』がちょっとつらすぎた。主人公遠野貴樹が想いを引きずりながら生きていること、ラストでのやるせなさ……それに「コスモナウト」の澄田花苗の失恋。消化しきれない話ではないと思うんだけど、とにかくその当時はなかなか次の(同じような)新海作品を見たいと思えなかった。

もう1つは、どの作品も一言「純愛」がテーマ、と言っていいかなと思うんだけど、その「パターン」に食傷気味になったということ。そして、それがなんとも後味というか据わりというかとにかくストンと落ちやすさがない。それが新海作品の特徴であり、よさの「萌芽」であるとは強く思ってたし、宮崎駿、庵野秀明に続く才能になりうる存在だと期待してたんだけど、やはり『秒速5センチメートル』のダメージもあって、2、3作品置いてもいいだろうという気持ちになった。

そんなわけで『星を追う子ども』『言の葉の庭』はスルーして、『君の名は。』も当初は見に行くつもりはなかったし、その思いは『君の名は。』が大ヒットを飛ばしているらしいとさまざまなところで(マスコミでも!)耳にするようになっても変わらなかった。

それが変わったのは、ネットの記事でこの作品がハッピィエンドだと知ったときだった。大ヒットの理由がそこにあるのかという思いが頭をよぎると同時に、それははたして「新海誠作品なのか」という疑問と興味もわき、自分の目で見てみたいという思いが強くなった。

――ここまでがマクラ。

数日後、映画館に向かう。平日だが、客入りはほかの映画に比べると多い。年齢層は10代~20代が中心で、今までの新海作品とは異なり、女性比率が半分近い。そして上映……。

目を見張るきれいな映像はそのままに、今までの尖った作家性が影を薄くし、これまでは見られなかったコミカルなシーンもあった(細田守的と感じた)。ストーリィもシンプルに「時・空」を超えるラヴストーリィで(まあSFとしてみると、ちょっと納得いかない点もあったりして、悪く言えばカンドー優先のケータイ小説的な……読んだことないけど)、エンディングもやさしく、鑑賞後、心にぽっかり穴を開けられるようなこともない、たいへんとっつきやすい作品だった。明らかにキャズムを超えたという印象。

これが新海誠の進化なのか変化なのかはよく判らないし、正直若干の違和感は感じたんだけど、エンタメ作品としてすばらしい出来であったことは間違いないので、疑問を呈しにくい気持ちがある(笑)。でも次の作品がどうなるかは見てみたいと思った。

モヤモヤは振り払ってここからは褒めていきたい。

まずは人物の描写(絵・動き)。今までの新海作品の人物描写は、その背景に比べだいぶ不満だったんだけど、今回とてもいいと感じた。神楽のシーン、それにラストの階段でのシーンなど人物でグッとくる場面があったことがすごくうれしい。

次に挿入歌のタイミングと映像。まあお手のものではあるんだが、これまた上手いとしか言いようがない。RADWIMPSで揃えたのも、イメージ統一という面で非常に効果的だったと思う。

そして映像美。タイムラプスとか流行りの表現も加え、その美しさに間違いなし。ここまで美しいと、聖地探訪すると逆にガッカリするんじゃないかと思うほど(笑)。ちなみに、たしかに綺麗だけど『Wind』のほうが凝縮されてて綺麗だったよなあと思いながら見てたんだけど、帰宅してたしかめると……思い出補正でした(笑)。

最後にストーリィに関して、ちょっと心に止まったところを一点。ラストの場面が糸守ではなく東京だったこと、というか三葉が東京に出てきていたことにある種の虚しさを感じた。もちろん東京に憧れており、東京に住む瀧くんの記憶に残らない記憶を持つ三葉が東京に出てきていることはきわめて自然で、なにか満たされない、どこかが欠けた、けれどもよどみなく流れていく日常を持つ人物という新海作品のテーマにも合致するんだけど……。なんなんだろう、ステレオタイプに「荒涼」という形容をなされる都市で、再び出逢ったふたりのこれからが豊かであろうとすぐに結び付けられなかったからかもしれない。このあたりは、また見なおしてどう感じるかたしかめてみたい。ただ一つ言えるのは、すれ違った瞬間の葛藤、声をかけた瞬間の勇気、かけられた瞬間の喜び、これは間違いなく彼らにとっても、自分たち観客にとっても豊穣の瞬間だった。

この作品は自分の新海体験にとって大きなメルクマールだった。次回作がどのようなものになるのか楽しみだし、期待もしたい。

映画『ガールズ&パンツァー 劇場版』鑑賞

久しぶりのエントリになるが、やはりこれは記録しておきたい。

11/21(土)の夕方。劇場版「ガルパン」の公開を翌日に控え、チケットでも取ろうかと映画館のサイトを開くと、なんと舞台挨拶のライブビューイングつきの上映が今夜あるとのこと。さっそく予約し、慌ただしく劇場に向かう。

座席につき周りを眺めてみると、プレミアな上映だというのに入りは8割程度。男性比率はパッと見99%。当然多いとは思っていたが、ここまでか……などと考えていると上映開始。

――ダージリンの格言からいきなりの爆音。描かれ出す模擬戦。精緻を極める戦車のモデリングと動き、そして背景に目を奪われていると、おなじみのキャラに加え、新キャラとして登場する西さん始めとする知波単学園の面々がコメディタッチのアクセントを添えてくる。あっという間に引き込まれる。

息もつかせぬ戦闘が終わると、日常パート。みほの意外な姿が見られたかと思えば、いよいよ本筋に入ってくる。シリアスにコメディを加えながら進んでいくストーリィは王道中の王道。しかしその間もC-5Mが美しい離陸シーンを見せるなどメカ描写は決して手を抜かれない。

そしていよいよ佳境となる大学選抜との決戦。かつての好敵手が駆けつけるのは誰もが予想できるベタなお約束。でもこれほど熱い展開はない。

ここからの戦闘に関しては……まったくことばもない。戦車同士の熾烈な砲撃戦、かと思えば飛び出すトンデモな戦術、と思っていると不意に訪れるシリアス。大洗のメンバーはもとより、アンチョビ、ノンナ、新キャラのクラーラ、ミカまで誰もが輝く一億総活躍映画。

めくるめく時間が過ぎ、最後に試合を決めたのは、たしかに感じられたみほとまほの絆。まさしく大団円としかいいようのない結末。

はっきり言ってストーリィは3行でまとめられる。が、その骨子をこれだけ濃密なものに仕立てあげたスタッフの方々の愛情に心から敬意を表し、感謝したい。無知を承知で語るけど、古今東西、どの戦車マニアに見せても拍手と称賛が得られるんじゃないか。

2回の延期(だったと思う)を経て公開に至った本作品。TV放映時のこともあり、気長に待つつもりでいたし、またそのクウォリティに期待してもいたが、想像をはるかに超える出来を見せてくれた。

TV版『アイドルマスター』の際にも書いたことだが、作品を支え、人の心を打つのはまぎれもなく「愛」だということを、またもやこれ以上ない形で示してくれた。本当にこのことはすべての人にとって福音だと思う。

心からありがとう。

(追記1)
11/22(日)。2回目の鑑賞。やはり興奮は止まらない。

(追記2)
数年ぶり(10年以上かも)に映画のパンフレットを買った。さまざまな考証がなされていることがより判った。

映画「アナと雪の女王」鑑賞

かなり前に見たが、今さら感想をメモしておく。

受け取ったテーマは2つ。

  1. ありのままに
  2. 愛の形

まず1については、例の有名なシーンでエルサがなぜ「ありのまま」でいいと思うようになったかよく判らなかった。あとからアナが来たら心が揺れてるし、ほんとうの意味で解放されたわけではなく、家出して自由を満喫しただけ? とも思えてしまった。もちろん人間そう単純に割り切れるものでないと言われればそのとおりなんだが。なお、1が女性―メッセージの意味を論理的には説明できないような小さな女の子も含め―には非常に支持されているようなので、ここらへん俺(男性一般?)の感度が低いんだろうし、それがすなわちジェンダーの問題なのかもしれない。

2についてはこれは見たままで素晴らしかったと思う。残念ながらネタバレして見に行ってしまったんだが、知らずに見ていたら大きな感銘を受けたと思う。このメッセージは大いに支持したい。

全体的なストーリィテリングはほかのディズニー作品に比べ、傑出した存在ではなかったと思うが、メッセージの新規性とインパクトで歴史に残る作品といえるんだろう。

最後にやっぱりアニメとしてのクウォリティの高さには打ちのめされる。細かい部分まで、おそらくマーケティングに裏打ちされた丁寧な作りは日本(というか世界のほかのどこにもだが)のアニメには見られない。毎回のことだけど、これには脱帽。

劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』鑑賞(2回目)

2回目の鑑賞でも大きく印象が変わる部分はなかったので、心を動かされた場面を3つ。

  • 合宿で、早朝、千早と春香が海岸沿いをジョギングするシーン
  • ライブ前のアリーナで春香に声をかけられた美希がそっと手を挙げるときの表情
  • アリーナライブ、開演の幕が上がったときの春香の表情

近くでやってくれればもう1度見るんだけど……。

映画『永遠の0』鑑賞

思ったことを徒然に。

  • 冒頭タイコンデロガへ特攻する零戦のCGが流れたとき出た感想は「しょぼい……?」。VFXを期待して行ったのに……。
  • ところがその後の赤城は素晴らしかった! 映像で当時の空母を見たことがなかったので、そのスケール感やディテールを堪能できて感動。
  • 零戦の着艦シーンもよい。アレスティングワイヤーにフックを掛けるシーンなんかも興味深いし、リアルに思えた(ミリオタの方から見るとどうなのか判らないけど……)。
  • 全通式甲板に書かれた「ア」の文字は好きだなあ。
  • ミッドウェー海戦での爆撃による炎上(初期の誘爆はあんなもの?)。正規空母喪失のショックををまざまざと感じ取れた。
  • 赤城には大満足。が、加賀・蒼龍・飛龍は登場せず。残念……。
  • 期待していた海戦シーンはほぼこれだけ。翔鶴・瑞鶴も登場せず。原作から見てのシーン数では相当肩透かしだけど、赤城だけでも見に行ってよかったと思えるクウォリティだった。
  • ラバウルでは坂井さんも西澤さんも登場せず。どんな人が演じるんだろうと思ってただけに、これには相当びっくりしたけど、いろいろ考えるとそういう構成もありなのかなと。
  • いささか偏った嗜好はこれで満足させたとして、ストーリィは人間ドラマを全面に押し出し(当然の配慮だろう)、判りやすくなっていた。
  • 宮﨑駿監督や井筒和幸監督も批判していたように、戦争のある種「きれいな部分(だけ)」を描いているというところについては、原作の感想で書いたのでスルー。
  • 俳優についてはあまり知らないんだけど、主演の岡田准一くんは気に入った。動きがきびきびしていてよい。
  • 最後になったけど、零戦もディテールにすごく気を遣っていたように見受けられた。戦局が進むにつれ、塗装が剥げていくさまは物悲しい。
  • しかしそれでも空を飛ぶフォルムはとんでもなく美しい。スピットファイアーとかマスタングとかまったく比較にもならん。あれはホント美術品。
  • というわけで、赤城を見られて満足、という作品だった。

映画『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』鑑賞

アニメ業界初(?)、1か月近くにもわたる石川県での先行上映が決定した『劇場版花いろ』。

そしてこれまたアニメ業界初(?)、来場者特典としてアニメの原画(動画もあったのか?)をプレゼントするという。

さらに、初日、二日目にはメインキャスト5人(伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥、能登麻美子)が舞台挨拶に訪れるという。

思わず申し込んだぴあでの舞台挨拶チケットは、第3希望のワーナー・マイカル・シネマズ御経塚が当選。

喜び勇みつつ、青春18きっぷを使い、石川まで乗り込むことにした。

ちなみに青春18きっぷの使用は初めて。おそらく昔は時刻表と首っ引きでルートを考えなければいけなかったんだろうけど、今やネットで一発検索。言われるがまま間違いなく乗り継ぐだけ。

往路は伊吹山を北から見て新鮮な気持ちを感じたりしながら列車に揺られること4時間少々。補助シートではあるものの全行程着席できたのはよかったけど、さすがに腰も背中もおしりも痛い。

御経塚では、金沢名物チャンピオンカレーを食す。メニューはLジャン(Lジャンボカツカレー)。金属のプレートに固めにご飯を盛り付け、全面にカレーを掛け、トンカツとキャベツをトッピングしてできあがり。フォークで食べるのは珍しいが、ご飯が固め、ルゥもドロっとしているため食べやすい。味も昔ながらで880円はまずまずのコストパフォーマンスではないか。

食事の後は映画。想像以上に男性比率が高く、300人ほど入れるシアターで、ざっと見渡して女性はほとんど見つけられない。うーん、『花いろ』ってそんな男性向けかぁ? それとも舞台挨拶付きだとこうなるのかね。

上映が始まるまでに特典を見てみると、ランダムなクリアファイルはみんち、原画は正面からのみんちと緒花のバックショット。ハズレではないがアタリでもないってところ。

でもって映画。劇場版なのに構えたところはなく、よく言えば自然、悪く言えばスペシャル感なしでOADのような出来栄え。個人的には「よく言えば」の印象が強い。

そして今回、TV版を見た時に整理できてなかった感想がすっとまとまった気がした。それは『花いろ』が「あきらめの物語」だということ。いや、あきらめというと語弊がある。「理解していく物語」「大人になっていく物語」のほうが近いか。

緒花の未来は皐月(母)の姿であり、スイ(祖母)の姿であるという投影を非常に強く感じた。皐月は自分が手に入れたいものを掴むために、喜翆荘を捨て(あえてこの言葉を使う)、スイはいろんなものを捨てて守ろうとした喜翆荘を最後には閉じる。

これはある意味「滅びの物語」でもあるんだけど、2人ともそのことを後悔しているわけじゃなくて、その過程で得られたものに満足して、それを受け入れている。

今まさに輝かんとしている眩しいばかりの緒花の姿が、俺にはすごくこの2人と重なった(ラストシーンはまさにその象徴だろう。つーかあのシーンはもっかい見ないといけないな)。もちろん完全に円環を描いてるわけではなく、螺旋を描きながら世代は受け継がれるんだろうけど。

コミカルな描写も多かったんだけど、俺としては上記の部分がストンと腑に落ちて、今になってやっと『花いろ』を理解できた気がして、見に行った価値があったなと感じた。よかったよ。

あと、今回は菜子かな。彼女の献身ぶりに痛ましさすら覚えた。「まだ」高校生の彼女が母親に泣きながら言うわがままが妹のことって……。でもこれだってもう少しきちんと見れば違う見方ができるのかもしれない。

そして最後。事前に知らなかったんだけど、上映時間が66分とかなり短かった。が、ダレるところもなく、不満は感じなかった。

――さて。上映が終わってからは舞台挨拶。今をときめく声優陣の皆さんはやはりお綺麗。席は真ん中ぐらいで表情までは判らなかったんだけど。20分ほどだったかな。いろんな話を聞かせてもらってなかなか楽しかった。しかしあいなまさん、やっぱ優等生だよなあ。

それからはすぐ帰路。またまた4時間列車に揺られて家路に。けどどう考えても湯涌温泉とか行くべきだったよね。次回どっか行くときはもう少し考えないと。でもまあ楽しかった。

映画『レ・ミゼラブル』鑑賞

3時間以上の上映時間で、さらにミュージカル仕立て、ときて、あまり興味はなかったんだけど、何やかやあって見ることに。

なかなかよかった。俳優陣の演技に迫力があり、3時間という長丁場なのに、時間はあっという間に過ぎた。ストーリィも(知っているとはいえ)名作ならではの安定感だし、これは見に行ってよかった。

映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』鑑賞

21時頃からのレイトショーを見に行ったけど、当然ながら満席。男女比は4:6ぐらい? 年齢層は20代が中心か? いつ見に行っても同じような年齢層ってことは、古参の視聴者は次々に脱落していってるってことなのかなぁと少しさびしい気分になりつつ鑑賞。

素晴らしかった! 『エヴァ』シリーズの中で最高。……と思ったら、鑑賞直後にちらっと覗いたTwitterでは「庵野やっちまったな」とか「ポカーン」とか評判がよろしくない。なんで? 意味が判らん? と思い、とりあえず情報をシャットアウト。他の人の意見を見る前にまず自分の感想を書いてしまうことに。書いてから意見を見て追記することもあるだろう。それにもう1回は見に行くつもりだしな。

さて、その感想だけど、何を置いても冒頭の25分!(ぐらい?)あの艦隊戦こそ今回の『エヴァ』の真髄でしょう。どう見てもΝ-ノーチラス号のセルフオマージュ(『ナディア』自体がさまざまなオマージュの集合体ということは当然だけど)。ハーロックのようなネモ艦長のようなミサトさんとエレクトラさんのようなリツコさん。BGMが『ナディア』ときた日にはこれを胸熱と言わずして何が胸熱か!! そしてその趣味丸出しの艦隊戦を劇場クウォリティで20分もやられた日にゃあ見ていて笑いが止まらない。「庵野やっちまったな!」と心のなかで大喝采をしながら見せてもらい、正直この時点で満足した(笑)。

で、お次は乗りたくても乗れないシンジくん。これも笑える。そして無理やり乗ったかと思ったら自分が何をしてるのかも判らないままに4thインパクトを引き起こしそうになる。3rdは君の責任じゃないが、4thは君の責任だよねぇ!? これも笑える。アスカがお子様と罵るのもさもありなん。まあアスカも結構お子様風味だがな。少なくとも28ではない(笑)。あれ、精神年齢も止まるのかね。

そしてカヲル君。相変わらずいいキャラ。よく知ってるのか知らないのか、深く考えてるのか考えてないのか判らないまま退場していくさまもお約束。もはや『エヴァの富竹』と呼んでもいいのではないか(笑)。

そしてラストがまた! あのロードムービーというか南の島編というか無人島物語というか、あの引きは続きが楽しみすぎる。でも予告編を見る限り、活躍してるのはハカイダーだったなあ(笑)。てゆぅかそもそも次回で終わるのぉ!?(笑)

いや、ホンットおもしろかった。ストーリィはよく判らなかったけど、そんなのまじめに考えたら負けでしょう。あくまでエンターテインメントとして楽しめばそれでよし。そしてその意味で非常に楽しめた。……しかし書いてて思ったが、もし冒頭がなかったら俺の印象もだいぶ変わっていそうだな(笑)。

ともあれ俺は大変大変楽しめたということだけは重ねて強調しておきたい。

映画『のぼうの城』鑑賞

全体としておもしろかった。以下箇条書きで。

  • 野村萬斎は「成田長親役」としてふさわしかったかは疑問。けどあの田楽踊りは素晴らしい。あれは彼ならではのパフォーマンスだったと思うし、あれだけでも出た価値がある。
  • なんだか佐藤浩市はどんどんカッコよくなってくる気がする。今後「名優」と呼ばれる人たちの仲間入りをするかもな。
  • 本作品で1番気に入らなかったのは開戦を決定するプロセス。居丈高に降伏を求める長束正家に対し、長親が「嫌なものは嫌なのじゃ!」とキレ、開戦に至る。で、長親は開戦を決意した理由として、「強い者が弱い者を蹂躙することは許されない」というようなことを言うんだけど、これがいかにも唐突。それまでも長親が農民らに混じり仲良くし、また慕われていることは描かれてはいたが、弱い者を守りたいという思いを示すような(少なくとも直截的な)描写がなかった。農民と混じってる姿も慈しんでるというより自分が楽しんでるだけ感満載だったしな。ここが1番引っかかった。
  • で、次に気に入らなかったのは甲斐姫の扱い。なんであんなおいしいキャラなのに攻防戦で活躍させなかったのか。見せ場を作ってもよかったと思うんだけどなあ。伝承でも戦ってたことだし。最後、長親に冷たくあしらわれるからあまり感情移入させないためか?
  • 最後。CGがヘボすぎる。樋口さんェ……。

とまあ文句はつけたけど、まずまずだったんじゃないでしょうか。機会があれば原作も読んでみたいな。