映画『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編]永遠の物語』鑑賞

舞台挨拶回はチケット争いに敗れたため、T・ジョイ京都の初日初回を鑑賞。というか初回すらチケット争いが激しく、取れたのは前から3列目。座ってみるとギリギリ視線がスクリーンの端から端まで届く感じだった。なお客層は前編と同じ。

感想だが、一言で言えば「TVの劣化版」。前編もある意味そうだったけど、ストーリィが加速度的に動く後編はその傾向が顕著。

もっとも興味があった10話のEDについても、なんのひねりもなく『コネクト』を挿入。余韻もへったくれもあったもんじゃない。

はっきり言って映画は新作カットを楽しむためだけのコアなファン層向け。あえて言うならあざとい商売。

『まどマギ』については絶対的にTV版がおすすめ。これから見る人には、1話ごとにいいところで切られ、地団駄を踏む感覚をぜひ味わってほしい(笑)。

そしてなによりなんとなく毎回聞いていたOPの『コネクト』が10話のEDで流れた時の衝撃を味わってほしい。

まあ映画版でよかったのはOPのまどほむの絡みかなあ。けどそれもTV版を見終わってるからこそとも言える。やっぱりファン向けだね。

でもって映画第3弾『叛逆の物語』。蛇足になってしまわないかという危惧はあるが、完全新作という意味で安心して期待できるところもある。そして書いておきたいのは虚淵作品でいわゆる「ハッピーエンド」は1つもないということ。ただの1つもな! どんなエンディングでもその時点では(一時的に)幸福であったとしても必ず将来に影が落ちてる(『ファントム』のアインエンドはうまく行けば平穏な生活……とも考えられるけどムリだろ)。よって『叛逆の物語』もそうであることに1000ペリカ!

最後に特典でもらったフィルムはさやかと杏子が戦うシーンでのまどかとの3ショットだった。個人的には外れ。

映画『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語』鑑賞

T・ジョイ京都の初日初回。同行者の遅刻により多少焦ったが時間には間に合った。こういう時チケットのインターネット予約は非常にありがたい。

劇場内は大盛況。予約段階でも判っていたが当然ながら満席。圧倒的な男性比率。9割ってとこか。そして今回も女性のお一人様が結構いた模様。

前編ではTV版の8話までを凝縮。まあ凝縮というと聞こえはいいが、余韻をなくしたという言い方もできる。俺の意見は後者。テンポがよくなったって意見の人もいるかもしれんが、削げ落とされた部分の中に「美味しい」ところがいっぱいあったよな。少なくとも「前編」の展開についてはTV版に軍配。

新作作画は盛りだくさん。特別興味を惹かれた部分はなかったけど、まあよかったんでは。

さて、後編についてだけど、9話以降ってことはこっちはかなりの新展開がある……はず? 1番気になってるのは10話のEDを映画の中でどう扱うか。あの展開で「コネクト」が挿入されるという劇的な幕切れをどう表現するんだろう?

ところで今映画の主題歌である「ルミナス」は「コネクト」に対するまどかのアンサーソングなわけだけど、この2曲を絡ませたギミックはあるのかな。

まあ後編にはかなり期待。

映画『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』鑑賞

19時台上映開始の回で見に行ったが、観客は十数人。男女比率は半々。男性は2人組がいたが、女性はお一人様が何人か。あとはカップル。

内容はTV版の焼き直し+若干の新作エピソード/映像。よほどのタイバニ好き以外は見る必要はないだろう。次回作はもっと新作に近くなるのかな。

しかしTV版を再編集して映画に仕上げるというインスタントなやり方は好きになれないなあ。新たな視点を与えるものと言うより、手軽に儲けるものって印象が強いから。

映画『天地明察』鑑賞

いやー、驚いた。

歴史に刻まれた出来事の合間合間を見事に飛翔して一大エンターテイメントに仕上げたってのが原作の素晴らしさなのに、それを見事にスポイルしてくれた(まさか山崎闇斎先生があんなことになるとは(笑)。……あれは史実じゃないよな?(笑))。

スタッフロールの最後に出た「この映画って原作を元にしてるけど、史実と違うところもあるよ。てへぺろ~☆」というテロップももはや怒りに火を注ぐだけ(笑)。

……まあいい。いや、よくないけど、一万歩譲ってそこは眼を瞑るとしよう。っが、しかし! ヒロインの「えん」。これはどう考えても許容範囲外だよね。あの江戸時代最強のツンデレっぷりはどこへ行ったの!? っていうぐらい「ちょっとしっかりした娘さん」になり下がってる。もうこの時点でこの映画は評価できません。監督・脚本家は「えん」の描き方のオタクっぽさが嫌だったのかねえ。

原作では駆け足になった後半部分を比較的長めの尺取ってたけど、これも腑抜けた「えん」とのラヴストーリィを描くためだったからな。

まあ映画なんて見ずに原作読め、というのが結論。

映画『メリダとおそろしの森』鑑賞

『おおかみこどもの雨と雪』との比較、という意味合いもあって見に行った。

ストーリィは個を重視するメリダと公を重視する王妃の相克を主軸として進む。これまたいつものように、どこの世界でも通じる普遍的なテーマを持ってきて誰にとっても興味深く見ることができる。

でもって結論としては、メリダは自分のことばかりじゃなくて王国のことも考えなくっちゃといい、王妃は伝統の軛を破ることも必要だと歩み寄る。

まあそれはいいでしょ。落とし所として無難に収めるにはそんな感じになるだろうし。問題は、このストーリィの見どころが、当然それぞれの主張がどのように昇華されるかってところのはずなのに、1番肝心なその過程が弱いこと。

描写がないわけではないんだよ。たとえばメリダは自分が花婿選びでほかの首長の顔に泥を塗ったことで戦争が起こりそうになったことを反省したとか、王妃は自然のなかで活き活きと振る舞うメリダを見て、自分がいかにメリダを枠にはめて苦しめてたかを感じたとか、まあ見て取れることはある。

けど、ここはテーマに直結する部分なんだからもっと力を入れて描いてほしかった。薄ぼんやりとした感じでどうもドラマ性に欠けて消化不良だった感が否めない。そのせいで分かり合えた感動もいまいち……。

まあアニメーションは、ピクサーならではの質の高さで楽しい部分も多かったから、見る価値なしとは言わないけど、ちょっと残念な出来だったかなあ。