『黄金の王 白銀の王』沢村凛(幻冬舎)読了

多感な時期にこの本を読んでいたら与えられたであろう衝撃は幾許のものかと考えると戦慄を禁じざるを得ない。

人がどう生きるべきかということについて、さまざまな面から疑問を投げかけ、かつ示唆を与える、そんな小説。

終盤の展開に納得のかない部分(説明が足りない、といったほうがいいかもしれないが)があったが、それを差し引いてもお釣りだけで家が1軒建つぐらいの価値がある。

必読。

http://www.amazon.co.jp/%E9%BB%84%E9%87%91%E3%81%AE%E7%8E%8B-%E7%99%BD%E9%8A%80%E3%81%AE%E7%8E%8B-%E6%B2%A2%E6%9D%91-%E5%87%9C/dp/4344013980

映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』鑑賞

21時頃からのレイトショーを見に行ったけど、当然ながら満席。男女比は4:6ぐらい? 年齢層は20代が中心か? いつ見に行っても同じような年齢層ってことは、古参の視聴者は次々に脱落していってるってことなのかなぁと少しさびしい気分になりつつ鑑賞。

素晴らしかった! 『エヴァ』シリーズの中で最高。……と思ったら、鑑賞直後にちらっと覗いたTwitterでは「庵野やっちまったな」とか「ポカーン」とか評判がよろしくない。なんで? 意味が判らん? と思い、とりあえず情報をシャットアウト。他の人の意見を見る前にまず自分の感想を書いてしまうことに。書いてから意見を見て追記することもあるだろう。それにもう1回は見に行くつもりだしな。

さて、その感想だけど、何を置いても冒頭の25分!(ぐらい?)あの艦隊戦こそ今回の『エヴァ』の真髄でしょう。どう見てもΝ-ノーチラス号のセルフオマージュ(『ナディア』自体がさまざまなオマージュの集合体ということは当然だけど)。ハーロックのようなネモ艦長のようなミサトさんとエレクトラさんのようなリツコさん。BGMが『ナディア』ときた日にはこれを胸熱と言わずして何が胸熱か!! そしてその趣味丸出しの艦隊戦を劇場クウォリティで20分もやられた日にゃあ見ていて笑いが止まらない。「庵野やっちまったな!」と心のなかで大喝采をしながら見せてもらい、正直この時点で満足した(笑)。

で、お次は乗りたくても乗れないシンジくん。これも笑える。そして無理やり乗ったかと思ったら自分が何をしてるのかも判らないままに4thインパクトを引き起こしそうになる。3rdは君の責任じゃないが、4thは君の責任だよねぇ!? これも笑える。アスカがお子様と罵るのもさもありなん。まあアスカも結構お子様風味だがな。少なくとも28ではない(笑)。あれ、精神年齢も止まるのかね。

そしてカヲル君。相変わらずいいキャラ。よく知ってるのか知らないのか、深く考えてるのか考えてないのか判らないまま退場していくさまもお約束。もはや『エヴァの富竹』と呼んでもいいのではないか(笑)。

そしてラストがまた! あのロードムービーというか南の島編というか無人島物語というか、あの引きは続きが楽しみすぎる。でも予告編を見る限り、活躍してるのはハカイダーだったなあ(笑)。てゆぅかそもそも次回で終わるのぉ!?(笑)

いや、ホンットおもしろかった。ストーリィはよく判らなかったけど、そんなのまじめに考えたら負けでしょう。あくまでエンターテインメントとして楽しめばそれでよし。そしてその意味で非常に楽しめた。……しかし書いてて思ったが、もし冒頭がなかったら俺の印象もだいぶ変わっていそうだな(笑)。

ともあれ俺は大変大変楽しめたということだけは重ねて強調しておきたい。

トレッキング(堂満岳)

前日に蓬莱山(比良山系)が初冠雪、翌日は雨天(それも雷雨が予想)という天気ではあったけど、高気圧に覆われてその日1日は晴れるという予報の中、間隙を縫って堂満岳に登山。

山頂付近には降雪が予想されるということ、また、ガイドブック等によると危険な場所もあるということなので、体力の温存を図るため、ペースを落としながらのスタート。

若干湿った土を踏みしめながらしばらく歩き、比良山系最大の池というノタリホリに到着。

ノタリホリ

……想像よりショボうなあと思いながらそのまま進むが、人は一人もいない上に予報と異なり空は曇ったまま。なんとなく不安を感じながらの道程。

さらに進んだところで、どちらに進むべきか迷う分岐に。尾根に赤テープが巻かれた木が続いているが、右斜面のほうがトレースはしっかり。地図上では最終的には登山道が尾根の右側をトラバースしているが、現地点でどちらが正しいのかは読み取れない。

迷ったけど赤テープを信じて尾根へ。それなりの急斜面に明らかでない踏み跡。少々苦労しながら登りつめたが明らかにそこから先がない。仕方なく分岐まで戻るが、その途中に気づいたのは、赤テープだと思ってたものはテープではなくビニール紐じゃんってこと。つまりこれ林業用の目印なんだよね。そういやそうだなと自分の迂闊さを呪ったけど、一つ勉強になったと思い直し、あらためて右斜面を進むと道がひらけてきた。

8、9合目あたりからちらほらと雪が見えてくる。そして山頂に近づくにつれ斜面は急に。水を含んだ地面、それに雪のせいもあり、手を使わないと登れない。慎重に進みながら山頂に到着。眺めはない。

そこから金糞峠へ向かったが、道の先に右手側が恐ろしく切れ落ちた場所が見えてくる。今までの登山で初めて見る簡単に落ちられて簡単に死ねるルート。ここ通るのぉ!? と思ったが、左手のゆるやかな斜面を巻くルートがつけられており一安心。

縦走ルートに入ると人と出会うようになる。さすがにこの時期のこの山ではふざけた格好で来ている人はおらず、みんな登山仕様。

人に出会ったことで少し心を軽くしながら金糞峠へ。ここから降りる通称青ガレは落石事故もあり危険とのことなので、北比良峠まで進み、通称ダケ道を下る。しかしなぜか最近下りを長く感じる。下りはあまり楽しくないのでもう少し短く感じられたらいいんだけど……などと思いながら麓へ。歩行距離は12.452km。前回に比べ、疲労度は低い。

最後にギアの話。

今回ソックスは従来のモンベルの中厚手のものを使用。やはり蒸れたがそう不快ではない。当然ながらクッション性は高いし、なんとなくこっちのほうがいい気がする。少なくとも冬はこっちだろう。

そして今回バーゴワークスのパスファインダーLを使用。サイズ的には完璧。入れたいものを入れられ、バックパックを下ろす必要がないのは非常に快適。が、フィット感はないねー。さらにウェストベルトのところで留めるため、歩くたびに太もも上部に当たる。すごく気になるかと思ったんだけど、これはそれほど気にならなかった。でも小さいところで少しずつ体力を奪ってたりするのかもしれんが……。それでもこの使い勝手の良さは手放せない。しばらくはこれで行く予定。

『ストリンガーの沈黙』林譲治(早川書房)読了

非常に贅沢な作品。エネルギー問題、宇宙で発展した人類、ファーストコンタクト……。それだけで1冊書けそうなテーマがふんだんに盛り込まれている。

頻繁に焦点を合わせ直しながら読まないといけないので、正直読む方としても頭が疲れる部分もあったけど、それこそが本書のすごさ。

まあ本書自体が続編で、おそらく筆者の中には舞台となっている22世紀の世界観というのができているんだろう。そういう作品は説得力あるよね。おもしろかった。

それと宇宙での戦闘の描写がよかった。広大な空間で戦闘を行う際のリアリティがあったな。

前作も読んでみたい。

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2012-11-17のニュース

トレッキング(打見山~蓬莱山)

9月の旅行の際に登った鳳来寺山以来久々の登山。その間、足を傷めてロードワークができなかったりで若干体力の不安を感じつつの山行。

JR湖西線志賀駅を降りると、目前に五分ぐらい色付いた蓬莱山が迫る。

色づきつつある蓬莱山

多少の高揚を感じながらキタダカ道と呼ばれる登山道へと歩を進める。が、歩き始めは軽快だった足取りも次第に重くなる。さほどきつい道ではないんだけど、やはりしばらくぶりの山道ということが堪えているようだ。

もちろんペースを落とせばまったく問題ないし、また、教科書通りの登山ではそうすべきなんだけど、「鍛錬」という意味合いもあるのでなるべくペースを落とさないように登り、打見山山頂までたどり着く。

ここには山麓からゴンドラも開通しており、平日ながら多少の観光客もいる。

打見山から眺める蓬莱山

打見山から蓬莱山に向かったところで、通行可能な場所が判らず/間違え、行ったり来たりを繰り返し、かなり時間をロスしてしまう。

ようやく蓬莱山山頂にたどり着き、小女郎が池方面へ向かう。この道は大変気持ちのいい尾根歩き。逆方向から来るパーティーと何組もすれ違う。また、このあたりは琵琶湖側の眺めも非常にいい。

蓬莱山~小女郎峠から眺める琵琶湖の景色

気持よく歩きながら小女郎峠経由で小女郎が池へ。なかなか立派な池。

小女郎が池

しばし小女郎が池を眺めた後、小女郎峠へ戻り、蓬莱駅方面へ下山。が、しばらく行くとものすごいブッシュで降りる気をなくしたので、蓬莱山まで戻り、志賀駅方面へ下山。かなりの急坂だったが、ここも登ってくるパーティーに2組出会い少し驚く。

そして下山も結構辛かった。足への負担が大きく、想像以上の衰え。故障だけはしないように慎重に志賀駅まで歩く。歩行距離は12.838km。

鍛え直す必要性を感じた今回の登山だった。

それと今回の登山で2点のギアを試したので、それも書いておく。

XSOCKS(Xソックス) トレッキング・ライト・コンフォート

機能性ソックス。履いた時点ではクッションが薄いんじゃないかと心配したが、かなり舗装路を歩く今回の山行でも膝を傷めるようなことはなかった。そして特筆すべきはムレの少なさ。従来のモンベルの中厚手のソックスに比べ、驚くほどムレなかった。これはすごいね。まあでも前者については俺がトレッキングシューズでの舗装路歩きに慣れただけで、後者については普通の靴下もそれぐらいなんだだと考えれば、普通の靴下と同じってことになってしまうが(笑)。まあでも初回使用時として好印象。

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オスプレー グラブバッグ

とにかく山行中にバックパックを下ろすのが面倒なので、なにかいいアクセサリーはないかと探した結果購入したのがこれ。1日使ってみたけどフィット感は抜群。まったく違和感がなく素晴らしい。ただ、俺の用途には容量が小さかった。やはりパスファインダーあたりが必要なのかなあ。

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そして最後に。面倒なんで詳しくは書かないけど、志賀駅で券売機に20円を飲み込まれて駅員と問答。ピントがずれ気味でどっと疲れた。結局次の日に20円を返却してもらうことになり、郵送したということだけど、まだ届いてはいない。いじょ。

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