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『中二病でも恋がしたい 1~2』虎虎(京都アニメーション)読了

アニメを見たい(∵腐っても京アニ作品なので)→ラノベアニメを見る時は(いちおー)原作を読むことにしている→仕方ないから読むか……。という流れで読んだ。

中二病はスパイスで、基本的には「もうお前ら結婚しちゃえよ」と呆れるぐらいのイチャラブストーリィが展開する、まあ二流のラノベ。

しかし1巻はともかく、続刊することはなかったんじゃね? というのが正直なところ。単に質の低いラブコメだしなあ。

……これのアニメおもしろいんか?

http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%AD%E4%BA%8C%E7%97%85%E3%81%A7%E3%82%82%E6%81%8B%E3%81%8C%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%84-%E8%99%8E%E8%99%8E/dp/4990581202

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『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』ウンベルト・エーコ、ジャン=クロード・カリエール(阪急コミュニケーションズ)読了

原題の直訳は『本から離れようったってそうはいかない』だそうなので、注目を引くためにあえて扇情的なものに変えたのであろう本書のタイトルはミスリード。

たしかに「電子書籍が隆盛を迎えつつある現代においての紙の書籍」を語っているところもあるが、それは本書の一部分で、実際にはエーコとカリエールの2人が、「本」というものについての情熱をありとあらゆる角度から語っている。

どの部分についても感心させられたり、同意させられたり、あるいは驚かされたりと、さまざまに知的な刺激を受けるんだけど、全編通して感じるのは2人の非常にバランスの取れた知性。自分の趣味嗜好は(当然ながら)あれども、物事を見る眼は常に客観的な位置に保ち、冷静な議論を行う。

邦題の主題にもなっている電子書籍その他のテクノロジーについても、その存在意義や今後を認めた上で(自分たちも十分に活用している!)、でもやっぱり紙の本が好きなんですよと語る姿には頑迷固陋さは微塵もない。

読後には、久々に知性あふれる話を聞かせてもらったと大変清々しい気持ちになった。本を愛する人ならぜひ読むべき本だろう。

最後に読んでいてなるほどと思ったり、深く頷いたりしたところも(一部だけれども)引用しておきたい。なお、読んでいたのがちょうど『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の公開直後で、その解釈をめぐり、ネット上で議論がかわされていた頃でもあるため、そういった議論に対しての回答めいた部分が多くなってる(笑)。

以下引用。Eはエーコの、Cはカリエールの、Tは進行役のジャン=フィリップ・ド・トナックの発言である。

E:我々の問にはたぶん一つの答えがあると思うんです。書物の一冊一冊には、時の流れのなかで、我々が加えた解釈がこびりついています。我々はシェイクスピアを、シェイクスピアが書いたようには読みません。したがって我々のシェイクスピアは、書かれた当時に読まれたシェイクスピアよりずっと豊かなんです。
傑作が傑作であるためには、知られるということが大事です。つまり、作品がみずから喚起した解釈を吸収することで、その個性をより強く発揮していれば、傑作は傑作として認知されます。知られざる傑作には読者が足りなかったんです。充分に読まれなかったし、充分に解釈されなかった。結局のところ、今日の聖書があるのはタルムードのおかげなんです。(pp.222-223)

E:哲学についても同じことが言えます。バートランド・ラッセルの哲学はハイデッガーの哲学ほど多くの解釈を生みませんでした。なぜでしょう。それはラッセルが非常にクリアでわかりやすいのに対し、ハイデッガーは難解だからです。どちらか正しくてどちらかが間違っているという意味ではありません。私自身は、二人とも警戒しています。ただ、ラッセルは馬鹿なことを言うとき、馬鹿なことを言っているとはっきりわかるんですが、ハイデッガーの場合は、わかりきったことを言っているのに、我々はそれに気づけなかったりするんです。歴史に残り、長持ちするためには、つまり難解でなければいけないんです。ヘラクレイトスはそのことをすでに知っていました……。(後略)(p.248)

E:子供の頃、近所に住んでいた女性が毎年クリスマスに本をくれました。あるとき、その人に訊かれたんです。「ねえウンベルトちゃん、あなたは本に何が書いてあるか知りたくて本を読むの? それとも読むのが好きだから本を読むの?」。そして私が認めざるをえなかったのは、読んでいる本にそこまで興味がなかった時もあったということです。私はただ読むのが好きだったから、何でもかんでも読んでいたんです。これは子供心にも衝撃的な大発見の一つでしたよ!(p.374)

T:いずれにせよお二人は、読んでない本や一生読むこともない本を本棚にたくさんためこんでいるすべての人たちを、その罪悪感から見事に解放してくださいました!
C:本棚は、必ずしも読んだ本やいつか読むつもりの本を入れておくものではありません。その点をはっきりさせておくのは素晴らしいことですね。本棚に入れておくのは、読んでもいい本です。あるいは、読んでもよかった本です。そのまま一生読まないのかもしれませんけどね、それでかまわないんですよ。
E:知識の保証みたいなもんですよ。
T:ワインセラーにも似ていますね。全部飲んでしまったら困りますね。(p.382)

素晴らしい!

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