『オービタル・クラウド』藤井太洋(早川書房)読了

秀作SF。センス・オブ・ワンダーを強く感じさせるというよりはギミックで力押しするタイプの。

骨子となるギミックの中で個人的にちょっと拍子抜けしたのは、テザーの素材。技術的背景がしっかりしてる(少なくともそう見える)分、後半になるまで言及がなかったのに、「それしかないよな」的なものだとすっと触れてあとはそのまま、というのは残念だった。

まあそれしかないけど、かといって目新しさもない。でも重要な素材、ということになれば、あんな感じになるのかなとは思うが。

とはいえ、テザー推進というアイディアは非常におもしろいし、興味を持って読めた。

コンピューター関連のテクノロジィについては、それは違うだろ、と言いたくなるほどの部分はなかったけど(気になったところはあった)、重厚さが感じられなかった(これは作者の知識の問題というよりもストーリィとの一体感の問題かも)。ということは、知らない分野もその筋の人から見るとそうなのかもしれない。

ストーリィ的には正直「えっ」という部分は結構あった。このあたりが解消されるともっと没入できると思うんだが。

とまあいろいろ書いたけど、これだけのものを完成させるのはすごい。筆者のほかの作品も読んでみたいし、今後にも期待したい。

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