トレッキング(白山テント泊)

初めてのテント泊トレッキングは初心者にも優しいと評判の白山。何回か計画していたんだけど荒天などで延びていた。

まずは別当出合まで車で乗り付ける。ハイシーズンを過ぎた平日のため、満車とはいかないが、それでももっとも近い駐車場は埋まっている。車を停め、準備をして早々に歩き出す。

白山別当出合登山口

駐車場から登山口までは5~10分ほど。数人の登山者を見かける。

白山別当出合の吊り橋

そして別当出合のシンボルであるこの吊橋。高所恐怖症には辛いが、無心になって渡り、いよいよ登山道へと足を踏み入れる。

階段上の道をどんどん登る。歩き始めの天気は良かったんだが、次第に雲が広がり、小雨がぱらつく。どうなることかと心配していたが、すぐに雨は上がり、甚之介避難小屋に着く頃にはかわってガスがかかりはじめた。

南竜山荘

そしてさらにしばらく進んだところで南竜山荘が見えてきた。ゆっくり歩いたつもりだったが、久々の登山かつ久々に20kgの荷物を背負ったことで少しペイス配分を誤っていたようで、この時点で結構疲労していた。とりあえず受け付けを済ませ、テン場に向かう。

南竜ヶ馬場野営場にてテント設営

ここも人は少なく先客は初老の男性1人のみ。少し離れたところに陣取り、まずはゆっくり昼食を摂ってからテント設営。なお写真にはないが、このあと少し風も出てきたのでガイラインを張った。

だいぶ時間があるのであたりを散策。静かで気持ちよい。ゆったりとした時間を楽しんでいると、テント場に3人めが。今度は若い女性。ちょっと挨拶をして、またのんびりと過ごす。テントに入って本を読んだり、外に出て景色を眺めたり。

夕暮れが近づいてきたので、夕食を摂って早々に寝袋に潜り込み就寝……したんだが、隣のテント(とはいっても15mは離れている)の女性のいびきがすごい。夜中3度ほど目が覚めた。俺はテントでは眠りが浅いってのもあるけど、いやあよく聞こえた。薄い布地で隔てられてるだけなんで生活音もよく聞こえるしこれは気をつけないといけないなということがよく判った。

3時起床。予定では軽く食事をして4時に御前峰に向けて出発――だったんだけど、トイレに行こうと外に出たら驚くほど寒い。トイレへの行き帰り中ずっと歯の根が合わない状態。もうちょっとゆっくりしようと寝袋に潜り込んでたら両隣も起き出してきて出発した模様。こちらはもう少しゴロゴロしてから食事をして5時に出発。

白山展望歩道から眺める夜明け

少し空が白み始めている中、展望歩道を登っていく。テントを置いてるので空身に近いかと思ってたけど、なんやかやを持つと10kg弱はあったようで、それほど軽くはない。とはいえ前日に比べればかなり身軽なので、それなりのペイスで登っていける。途中の展望台で隣のテントの女性と出会う。挨拶だけしてさらに進んでいると、突然目の前の景色も自分もサーッとオレンジ色に染め上げられる。東を望むと太陽が力強い光芒を放っている。モルゲンロート。信じられない光景。ごくたまにすごくきれいな夕焼けのオレンジ色を見かけることがあるけど、あれは徐々に街の色が変わっていく。でもこれは仄白いあたり一面が一瞬でオレンジ色に変わる。思わず足が止まって、信じられない気持ちで見とれていると、色は茜色から黄金色へと変わり、次第にいつもの光に戻っていった。とんでもないものを見てしまったという思い。はっきりとこれまでに見た中でもっとも美しい風景だったといえる。これはやめられんわな。なお、写真も撮ってみたけど、まったく伝わらないので載せない。

白山室堂

夢から覚めたような気持ちで進んでいき、白山室堂を通過。このあたりで、山頂でお日の出を見た室堂宿泊者多数とすれ違う。こっちにはかなりの人数の方がいたようだ。

白山御前峰

白山山頂に到着し、ここからお池巡り、と思ったんだが、どうもそっちに向かってる人がいない。地図にも「危険」マークがついてるし、どんなもんなんだろうととりあえずちょっと進んでみる。

白山お池巡り

なるほど、これを降りると。足を滑らせたりすると怪我するだろうし、よほど打ち所が悪ければ死ぬかもしれないけど、慎重に行けばまったく問題ないレヴェルなので、進むことに。まあ高所恐怖症にはキツいけど……。

白山お池巡り

降り切って下から見上げる。こうやって見ると崖って感じもする。ともあれ危険個所は過ぎたので、景色を楽しみつつ進む。

白山お池巡り

雪渓も残る。

白山お池巡り

このあたりはシーズンだとおそらくお花畑。大変美しいんだろうなあと思いながら、室堂まで帰り、エコーラインで野営場まで戻る。少しの間テントを乾かしてから撤収。

先に出発した登山者を追い抜きながら見ていると、みんな結構下りにも苦戦してるようだった。俺も筋肉疲労はあった上に、足にテーピングをしないで降りたのでそれなりにダメージはあったけど、無事に下山。

今回の山行はテント泊ならではの楽しみを見つけられた有意義な1泊2日だった。

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