トレッキング(三上山)

新しく購入したギア類のチェックのために三上山へ(本当は金勝アルプスぐらいがよかったんだけど、まだ通行止めかもしれないので)。

試したのは以下の3つ。

  1. パーゴワークス カーゴ40(バックパック)
  2. X-SOCKS Sky Run 2.0(ソックス)
  3. LA SPORTIVA 26K Bushido(シューズ)

ところが久しぶりの山行だったためか、朝、グリーンスムージーしか飲んでいなかったためか、とにかく異様に疲れた。よって、正常な状態の感覚とは違う可能性があるので、また試す必要があるかも知れないがとりあえずファーストインプレッション。

まず1について。カーゴシリーズは35のときから興味はあったんだけど、質感とデザインがいまいちピンとこず、購入には至らなかった。が、40については発表時に一目惚れ、公式サイト通販予約初日に予約した。で、届いてから付属のスタッフバッグにパッキングして背負ってみたんだけど、どうも背骨とフレームが干渉してしっくりこない。というか痛い。詰め方を工夫してもあまり変わらず、はてどうしようかと考えて、サーマレストのZシートを挟んでみたところ、だいぶよくなった。そして本日のテスト投入とあいなったわけだけど、結論からいうと背中の違和感はほぼなし。先述の通り、異様な疲労感で微妙な感覚の違いが判らなかったのかもしれないけど。ただ、やはり俺の好みのガッチリ腰で支える系のバックパック(バルトロ75とか)に比べると一体感は薄いので、疲労度は高くなると思われる(もちろんこれは設計思想の違い)。良い点はパッキングの自由度。Zシートを挟んでハイドレイションシステムをぶら下げて――といろいろ工夫できるのは非常に楽しい。今後もアイディアを出して使っていきたい。そうそう、背負ったのは8kgほど。

2。これは素晴らしかった。何が素晴らしかったって足のムレのなさ! いつもはシューズの中に熱気がこもって、ともすれば足がふやけてしまうぐらいなのに、そんな気配は微塵もなし。クッション性とフィット感もほどよく、かなりのお買い得品だと感じた。ただしこれらは3との相乗効果があったのかもしれない。

その3。店頭で、Ultra RaptorWild Cat 3.0とためし履きの結果、もっともしっくりきたのがこれ。山行前に2~3km公園を歩いたときに、足に吸い付くなと感じていたけど、それは山でも同じ。しっかりフィットしているのにきつさもなく、ストレスゼロ。そして前日の雨で湿り気を帯びている土の上を登っていてもほとんど滑らない。ちなみにこれの前に買ったトレランシューズはそういうシチュエイションだと結構滑ってた。岩場では若干滑りが感じられたけど、ビブラムソールじゃなくてもしっかりしてるなと感心しながら山頂まで。で、下りに入ったんだけど……ここからが拙かった。下りの岩場ではよほど慎重に行ってもかなり滑る。それが濡れていたりすると信頼性ゼロ。もちろんビブラムソール(スカルパのトリオレプロGTXを想定)でも意外に滑ってたんだけど、次元が違う。はっきり言って下りを1歩1歩というのは今日はムリだった。手も使いながらそ~ろと降りるか、逆に一気に駆け下りるか。ある程度は予想してたけど、ここまでとは思わなかった。……ただし! 今日は疲労度が高かったので、そのことが影響している可能性は十分にある(とはいえ評価が180度変わるというようなことはないとは思う)ので、またテストをしてさらに見極める必要があると感じた。が、完成度が高いのは間違いない。軽快に歩く/走るなら、足との一体感といい、足裏感覚を保ちながらの突き上げの保護といい、素晴らしいシューズだと思う。

トレッキング(赤坂山)

G.W.に、滋賀と福井の県境にある赤坂山に出かける。

マキノスキー場から登るんだけど、着いて驚いたのは、スキー場にびっしりと張られたテント。

マキノスキー場

オフシーズンはアートキャンプサイトになってるようなんだけど、G.W.のせいか立錐の余地もない。

朝食の用意やら何やらをする家族連れを横目に見ながら登山道へと歩を進めると、こちらもG.W.のせいだろう賑わっている。

久々の登山でゆっくり歩きながらしばらくして山頂に。

赤坂山山頂からの風景

琵琶湖が望める。そして山頂直前の稜線あたりから、高島トレイルを歩くんであろうというパーティーを頻繁に見かける。家族連れ、高校の部活動、大学のサークル、社会人の山仲間、多種多様。これぐらいの人気はあるんだという軽い驚き。

もう一点の驚きはほとんどのメンバーが銀マットを外付けしていたこと。みんな銀マット、銀マットかぁ……と意外に思いながら、稜線を北東に下ると明王ノ禿と呼ばれる風化地帯を通る。このあたりはなかなかの景色。なぜか写真を撮ってなかったが……。

その後、三国山への分岐があり、距離もさほどではなかったので横道にそれ山頂を踏んでからもと来た道へ。

最後は長い林道歩きで足を痛めるいつものパターン。GPSログは取ってないが、14km強ほどのトレッキングだった。

トレッキング(綿向山)

綿向山の樹氷がきれい! との情報を知り合いからいただく。

山に登り始めた当初、雪山は経験者と練習してから、と考えていたけど、いろいろと勉強したり、多少雪のある山に登ったりした今、この季節、この天候の綿向山なら大丈夫と判断し、登ってみることに。

まずは昨春と同じく、御幸橋の駐車場に向かう。近づくにつれ、道の端には大きな雪かきの跡。

車を停めて登り始めると、すぐに道は雪まじり。どのあたりでクランポン(アイゼン)をつけたらいいのかよく判らないのでとりあえず進む。

3合目あたりでだいぶ雪が深くなってきたので、アイゼンを装着。当たり前だけど、結構足に重量感が増す。そして、これも当たり前だけど、凍った雪面での安定感はすごい。

5合目になるとかなりの雪。このあたりは急坂でつづら折りになっているんだけど、ふと見ると誰かが直登した跡がある。たしかにこれが雪山の魅力だよなと俺も直登を始める。膝下から太ももの間ぐらいまで埋まりながら、急斜面をキックステップして登る。こいつぁ楽しいや!(笑) ……と調子にのっていると、左足のアイゼンを右の太ももに引っ掛け、パンツに穴を開けてしまう。あー、こういう時にひっかけるのかと一つ学ぶ。

そんなこんなで7合目。夏は谷から登るが、冬は危険なため尾根道をたどる。このあたりも谷道が閉鎖されており、看板まで出ているという至れり尽くせり。そしてここでiPhoneの電源が入らなくなるというトラブルが発覚。最近異様な電池の減りを見せている(もちろん登り始める前の充電は100%)ので、そのせいかと考え、モバイルバッテリーをつなぐも反応なし。写真も撮れなければGPSも使えないという状況に気落ちしながら進むことに。

また少し急な斜面を登り、8合目あたりまで来ると低いブナの木が左右から頭上に覆いかぶさってくる。ここが樹氷ポイントなんだけど、残念ながら樹氷の「じゅ」の字もない。1℃という気温ではさもありなん。残念に思いながら山頂に行くと、思いがけず雪に覆われた美しい景色が広がる。

しばらく景色を楽しんだ後下山。7合目から直降(というのか?)。そしてまたもや左足のアイゼンを右のふくらはぎに引っ掛ける。今度はゲイターとズボンを破る大惨事。これ気をつけないとアカンわ……。

数組のパーティー(単独もあった)とすれ違いながら3合目まで降りる。日も昇り雪が緩んで歩きにくいなあと思っていると、なんだか見知らぬ風景。ふと見上げた鉄塔の位置で、道を間違えたなと確信するも、多少遠回りながら帰れるなとそのまま進む。思えばここできちんと地図を見ればよかった。どんどん進んでだいぶ下ったところで、どうも方角的にえらく遠回りをしてる気がして地図を開くと、やっぱりえっらく遠回りだった。

かなり登り返さないといけないけど、それでも元のルートに戻ったほうが近いので、これこそサンクコストのいい例だなと思いつつ歩きにくい道を戻り、駐車場まで辿り着く。

靴を脱ぐと、いつも傷める場所に加え、左足の土踏まずあたりも水ぶくれ。これはアイゼンの影響かな? 次回以降要検証。

そんなこんなで、樹氷は残念だったけど、初めての雪山は楽しかった。いろんな意味で調子にのらないようにしながら、また行きたい。

P.S.
下山後、iPhoneは車で充電しながら時間をかけて何十回か電源を入れていると、突如起動。充電率は100%。低温のせいかとも思ったけど、そこまで寒くなかったしなあ。なんとか6の発売まで保ってほしい。

キャンプ(笹間ヶ岳)

先日のソロキャンプのエントリを見た友人から、「―5℃は寒すぎるんじゃないか」との疑義が呈された。

その日の気象庁発表の最低気温が―1℃、標高が432mの山頂なので、2.6℃ほど下がって-3.6℃、地面で寝ているからそれより下がって、―5℃になるかならないかかな……という計算だったんだけど、たしかに低すぎる気もする。

そこで、今回、予想最低気温が―1℃になる日、あらためて同じ山でテント泊をしてみることにした。ちなみにもう一点、新たに購入したマット、サーマレストのネオエアーXサーモのテストも兼ねている。

http://www.amazon.co.jp/BE-TACKLE-%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%89-%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%88-THERMREST-%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%BCX%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%A2M/dp/B008BZF6SC

夕方から出かけたんだが、2回目で気の緩みがあったのか、サーモスのボトル、LEDランタン、アルファ米の持参を忘れる。前2者はバーナー、ヘッドライトで、後者はコンビニでおにぎりを購入しての対応となったが反省しきり。

山道はまだまだしばらく前の雪が残っており、一部はアイスバーン化している。折しも翌早朝からの雪が予想されており、注意が必要だなと考えながら進む。

山頂に到着。薄く積もった雪の上にテントを設営し、夜景が見える大きな岩の上で夕食を摂るところでまたミス。岩の上もところどころ雪や氷があったので注意していたつもりだったんだが、不用意に置いた水筒が倒れたのが氷の上。あっという間に滑ってカランコロンと小気味いい音を立てながら闇の中へ。水筒でよかったとはいえ、自分の間抜けさに呆れる。

トラブルはあったものの、食事を終え、テント内へ。時間は20時。気温を見ると0.5℃。1時間ほどテント内で本を読んだりしてまた気温を測るとちょうど0℃。順調に下がりそうに思えたので、あとは翌朝測ることにして就寝。

ネオエアーXサーモはすごかった。地面からの冷えをまったく感じない。信じられない暖かさ。本格的な雪山でも十分対応可能だろうと思わせる。ただ、エアマットなので、そういうところに持って行くには信頼性に欠けるという二律背反……。

この日は0時ごろから雪起こしのすごい風が吹き、3時ごろから氷混じりの雪が降り出す。5時に起床し、外を見ると一面の雪。雪山のノウハウは机上でしか持たないので、正直若干の焦りはあったが、装備もしっかりしてるし、よく知った低山だしと落ち着いてから、気温を見ると……0.5℃。「あっれえ?」という気分とともに体感でもそんなもんかなと納得する気持ちも。

というか体感では前回のほうが寒かったが、それはマットによる冷えが影響していたのかもしれない。ともあれいちおうの結論は出たので、あとは帰るのみ。

雪の中でのテント撤収は鬱陶しい。きれいにたたんでもいられないので、まとめてバックパックに放り込む。さすがにアイゼンはいらないだろうと下山の途につくが、雪に隠れて見えないアイスバーンに足を取られて転ぶこと2度、雪で滑って転ぶこと1度。

雪まみれになりながら帰ってきたけどなかなか楽しかった。

キャンプ(笹間ヶ岳)

近くの低山で初のソロキャンプを試す。

夕方から出かける。完全に日は沈んでいるが、ほぼ満月で空もよく晴れており、開けた場所に出ると、闇に慣れた目には眩しいくらい。

1時間ほど林道と急坂を登り山頂へ。暗闇の中テントを設営。気温は低いが無風状態で楽な作業だった。

テント

笹間ヶ岳山頂からの夜景

しばし夜景を楽しんでから食事。お湯を沸かし、アルファ米のエビピラフとカップラーメン、それにコンビニで買ったレトルトのコールスローを平らげてテントに潜り込む。

テント内は実に快適。2人用サイズなので余裕がありすぎるぐらい。Nexus7で少し読書をして就寝。

ここで初めて問題が発生。外気温は-5℃になるかならないかぐらいだったと思うんだが、地面からの冷えがすごい。どんどん熱が吸収される感じ。まったく寝付けないとまではいかないが、ときどきゾクッとして目覚めることはあった。

以前からスリーピングバッグよりマットのほうが重要だとの話は聞いていたが、なるほどたしかにこれは厳しい。使ったマットはNEMOのZORだったが、冬用にもう少し暖かいものが欲しいところ。ただ、まだ雪山には行く予定がないので、どの程度のマットを買うべきかは悩ましい……。

そして朝。フライシートの裏はぐっしょりと濡れているが、ダブルウォールなので、中は快適な状態。すぐ下山なので乾かさずに片付けて帰途に。

なかなかよいテストになった。

(追記)
あとパッキングももう少しうまくやりたいものだ。

トレッキング(鶏冠山~竜王山)

富士登山後初の山行はホームグラウンドのお決まりのコース。

ライトに行こうと30Lのバックパックを取り出し、パッキング。おそらく10kg以下。こんなに軽いのを背負うのは久しぶり。

足元も登山靴ではなく、トレイルランシューズの「SALOMON XA PRO 3D ULTRA 2」(この靴、クイックレース仕様なんだけど、切れたらどうすんのかね。店舗で聞いたら、メイカーでの交換になるとかいう話だったけど、山で切れて直せないとか命取りじゃね? ま、だからこんな低山で使うんだけど)にして足取りも軽く出発。

思わずペイスが上がってしまい、息切れ。途中からじっくりと歩いたんだけど、結局心拍数を合わせることになるから、重い荷物背負っててもしんどさは一緒なんだよね。あ、筋肉の疲れは違うかな。

とまあ軽く登って降りたんだけど、参ったのは小さな羽虫。下山途中から未だかつなかったぐらい大量にまとわりつかれる。虫除けスプレイもまったく効果なし。鼻から2匹も吸ってしまった……。暑さにも辟易したし、やっぱ夏は低山登るもんじゃないね。

そうそう、それから、前回の富士登山から、ファイントラック ラミースピン クール ボクサーショーツを履いてるんだけど、ムレがまったくなく超快適。それまではモンベル ジオラインL.W.トランクスを履いてたんだけど、こっちは結構ムレてた。ファイントラックは単体で履くと(Lサイズ)、太ももやおしりのあたりが突っ張る感じがするんだけど、いざ歩いてみると感じない。なんなんだろうね、これ。とにかく今のところ文句なし。

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%A2%E3%83%B3-SALOMON-ULTRA-L30901900-%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%C3%97%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%C3%97%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AD%E3%83%BC/dp/B008U7JW18/ref=sr_1_13?s=shoes&ie=UTF8&qid=1375973740&sr=1-13&keywords=salomon+xa+pro+3d+ultra+2+gtx

トレッキング(御嶽山)

「どう旅」メンバーのIと6度めのトレッキングにして、富士登山までの最後の練習は御嶽山。目的は高所の経験。

さすがに日帰りは厳しいのでおんたけ休暇村に前泊。10人まで泊まれるグループキャビンを2人で借りる。専属のボランティアがついていろんな説明をしてくれたり、相談に乗ってくれたりして1人あたり1000円。……いいのか? でも話によると1人で借りる人もあるそうだし。

おんたけ休暇村 グループキャビン

敷地内にある温泉に浸かり、キャビンの前で適当に飯を作って食べていると涼しくて実に気持ちよい。さすが高地と翌日に備えいい気分で床についたんだけど、夜半すごい雨で起こされる。大丈夫かなと思いながらうつらうつらして3:30ごろ起きて準備をしていると、少しずつ雨は弱くなる。

王滝口から望む御嶽山

ほぼ雨がやんだ5:30ごろ出発。王滝口に到着時にはまた雨。しばらく待って上がったところで出発。しばらく行くが雨は降ったりやんだり。8合目手前からはガスも強くなりせっかくの眺望もまったくない。さらに9合目あたりから風も強くなってくる。王滝頂上に来るころには相当な状態に。そこから剣が峰を目指し、もともと強風で知られる八丁ダルミというコルを通ったんだけど……結構壮絶だった。ガスで視界が効かないなか、台風かと思うような強風。しばしば立ち止まって風をやり過ごさないと進めない。そして雨に混じって雪まで吹きつける。装備は完全に冬山。

なんとか山頂小屋に到着してご主人に話を伺うが、異例の強風だとのこと。階段を登って山頂に立つがあまりの強風でメガネまで飛ばされそうになるなか、慌てて写真だけ撮る。

御嶽山山頂

登山前は、ニノ池ぐらいまでは行けるかなと思ってたんだけど、強風と、Iの疲労により断念し、下山を開始する。しばらく下ると、それまでの荒天がウソのよう。王滝口まで見渡せ実にきれい。しかしIの疲労は極限。何度も滑り、転びながらなんとか登山口に。

これで富士登山の練習が終わったわけだけど、正直Iの富士登頂可能性は微妙。できるかもしれないし、できないかもしれない。とはいえ、最初を考えれば長足の進歩。あとは本番に望むのみ。

歩行距離:スマートフォンの電源が切れたため計測できず。

夜間トレッキング(伊吹山)

「どう旅」メンバーのIと5度めのトレッキングは伊吹山夜間登山。

前回の登山時にお世話になった駐車場に(事前連絡のしておいて)停めさせてもらい、登山開始。……と思ったら登山口に1人の男性が座っている。登るなら同行させてもらいたいと声をかけてきたその人は中国からの留学生で大阪在住のTさん。話を聞くと、山麓の宿に泊まって早朝登ろうと思って来たところ、予約がないと宿泊できないと断られたそうで、それならと登りはじめたら「クマ注意」の看板を見て心配になり、登山口で途方にくれていたとのこと。

夜間登山も伊吹山も初めてだというTさんに、こちらも夜間登山は初めてだがそれでもよければと話した上で同行することに。

1合目までの樹林帯はぬかるんでおり滑りやすい。が、心配していた暗さは3人分のヘッドライトで想像以上に明るく、その意味での危険はまったく感じない。

さすがに他に登山者はいないかと思っていたが、男女のペアが1組、後ろからついてくる。こちらの速度が遅いのでだんだん近づくが、ある程度の距離になると止まるところを見るに、斥候として扱われているようだ。

そんなこんなで3合目まで登るが、そこでIから体力的に相当厳しいという残念なお知らせ。仮眠が十分に取れなかったことによる睡眠不足由来のものだと思われる。たしかに俺も4時間ほど仮眠したかったんだけど、結局2時間ほどしか眠れず、なんとなく身体が重い。ともあれ、しばらく休んで、様子を見るということになり、1人で先に進みますと話したTさんとはここでお別れ。

30分ほど休み、多少の体力回復が見られたのでまた登りはじめたが、後ろから見ていても限界だと思われたので、5合目でテントを張り、Iには休んでもらうことにした。しかしまだ俺も使ってないテントの最初の使用者がよもやIになるとは思いもしなかった(笑)。

その後1人で眼下に広がる夜景を楽しみながら登っていると、6合目辺りだろうか、上に2つセットのヘッドライトが4組ほど見える。ああ、やっぱりほとんどの人は2人で行くんだ……とか考えてると、その中の2組がすごい速さで移動する。トレイルランでもしてるのか? と思ったら急に「ピュイッ!」というような鳴き声がして、4組のヘッドライトがあっという間に散り、そこでようやく鹿だったんだと気づく(笑)。

そんな夜のイヴェントも楽しみつつ8合目を過ぎた頃から大量のガスがかかり、みるみるうちに眼下の街の灯は見えなくなり、視界も数mにまで短くなる。登ったことがある山で、なおかつ一本道だということが判っているから進めたものの、そうでなければ立ち往生するぐらいの勢い。

慎重な足取りを崩さないよう歩いて山頂にたどり着く。ご来光を見るポジションを探そうかと思ったけど、ガスが強すぎ、危険なので断念。売店の近くでバックパックを下ろしたらぐっしょりと湿っている。ガスすげえ。夜明け前で風も出てきており、体感温度はかなり低い。ソフトシェルにダウンを着てちょうど。当初の予定では、ご来光までテントを張って待とうと考えてたけど、テントは5合目。ベンチに座ろうかと思ったけど、これもぐっしょり。シートなんかもやっぱり5合目。仕方なく濡れていない軒下の地面に座り、しばし休息。

夜明けが近づくにつれ、ガスが晴れてくる。ご来光が見えそうなポジションに移動するが、雲が多く、日の出は拝めそうにない。が、徐々に空が明るみ、雲の色が変わっていく。ぼんやりと山の輪郭が見え始め、ゆっくりと雲が山を越していく様子は非情に美しい。山頂で日の出を見たいと思う人が多いのがようやく判った気がした。

伊吹山山頂の夜明け

結局、日が出てくるところは見られず、十分に日が昇った(と思われる)ところで下山を開始。

(余談ながら、男女のペアも雨具を着てフードもかぶりつつご来光を待っていたんだけど、寒い寒いと話していた。それなりの防寒装備は必須。当たり前だけど)

この前からやっているように足指にテイピングをしての下山だけど、非情に調子がよく、痛みがほとんどない。快調に飛ばし、もうすぐ6合目というところで、Tさんが下から登ってくる。驚いて話してみると、あのあと6合目まで登って避難小屋のところで寝ていたらしい。声をかけて別れ、テントのある5合目へ。

5合目に着き、テントのIに声をかけると、多少は眠れ、それなりに体力は回復したとのことなので、朝食を食べてからさらに下る。

そこからは大量の登山者が来るわ来るわ。挨拶してるうちに気づいたが、週末の登山者は素人っぽい人も多い。なるほど。

最後に今回の総括。

  • 夜間登山について、暗さはそれほど問題にはならない。
  • が、睡眠不足は大問題。通常と違うスケジュールに身体を合わせるのが難しいことに留意。
  • だいぶ登れるようになったと思っていたIがここ2回の登山で思わぬ失速。いろいろと考える必要あり。

トレッキング(伊吹山)

「どう旅」メンバーのIと4度めのトレッキングは伊吹山。

ひたすら登り、ひたすら降りる標高差1200m弱は、今までではもっとも体力を要するルート。でも今までの様子を見ていれば大丈夫だろう、という予想だったが……。

まずは山麓の駐車場に車を停め、歩行開始。Iの速度が速いように感じられ、再三注意を喚起するが、程なく戻ってしまう。

どうだろうと思いつつ、1合目に到着したところで、そういや、昔ここでパラグライダーの1日体験をしたことを思い出す。

3合目まで来るころにはIの速度もだいぶ落ち着いてきていたが、これは疲労によるものだろう。それからもゆっくりと高度をかせぐが、6合目あたりになると、かなり疲労していて、受け答えも億劫そう。ここからは立ち止まることもしばしば。とはいえ、ガスもだいぶ出てきて、天気も心配な日だったこともあり、本当にゆっくりでもいいからと励まし、少しずつ進む。

8合目まで来たあたりで、後ろから三菱電機のロゴをつけた新入社員だろうか、100人ぐらいが競争しながら登ってくる。皆さん礼儀正しく、迷惑をかけられることもなかったんだけど、追い抜いてもらうためにペイスはメチャクチャに。Iにとっては予期せぬ休憩が増えたことがよかったのかもしれないけど。

なんとか山頂にたどり着き、昼食。お花畑の散策はとてもムリそうだったので、ストロベリーソフトを食してから下山。

ここからは、下りで足を痛めないように、テイピングを巻きに巻いた俺のトライアルでもある。

しばらく下って行くと、これまでの山行でまったく足の痛みを訴えたことのなかったIが、つま先が痛いとのこと。俺のほうは、痛みながらも歩けるレヴェル。なにもしないままこれだけ下ったらとんでもないことになっていたんだろう。これは必須だな。

さらに下っているとガスが晴れ、伊吹山の全容が見える。

伊吹山

やはりなかなかの威容。

以後は少し滑ったりしたことを除けば、何ごともなく下山。

これまでの様子を見ていて、もう少し余裕を持って登れるかと思ってたけど、意外にきつかった模様。ただ、最初を思えば長足の進歩。ペイスを間違えずに時間をかければ富士も大丈夫だろう。……と思う。

歩行距離:8.786km。