2014-10-20のニュース

『頭を冷やすための靖国論』三土修平(筑摩書房)読了

靖国問題の複雑さをいろんな視点から指摘しており、「頭を冷やすための」というタイトルに偽りなしの内容で、もっとも冷静な分析の書籍となっている。

特に戦後、靖国がどうして今のような形になったのかという経緯の説明は詳細かつ判りやすい。

また、日本人にとっての「公私」を天皇や神社と結びつけた持論はユニーク(個人的には腑に落ちるというより、なるほどね、という感じだったが)。

そして、最終章、現代の臼淵が必要だという筆者の提言は理解はできるが、正直どこから手を付けられるんだろうという途方に暮れるような提言でもある。筆者が予感するような、世紀のスパンで見て、「へえーっ、そんな時代があったんですか」と言われるような靖国になっていくんだろうか……。

3冊靖国関係の書籍を読んで感じたこと。俺はかねがね靖国は戦後すぐに廃止しておけばよかったと考えていたんだけど(戦争責任の明確化も合わせて)、宗教性を排して公共性を残す形で決着させておいたほうがよかったかもしれない。日本にとっても諸外国にとっても。

過ぎたことはさておき、今後どうすべきかということについては、正直よい考えを持ち合わせていない。いわゆる「遺族」がいない世代になればまた新しい展開もあるのかなという感触はあるが、それだってどう転ぶか。考えていくことは必要だ。

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『戦争を知らない人のための靖国問題』上坂冬子(文藝春秋)読了

こちらは(いわゆる)靖国肯定派のアツい思いがつまった本とでも言おうか。

正直俺から見ると、事実関係の理解(解釈というべきか)が無理矢理・トンデモに感じるところが多かったんだが、ただその中でも一本筋が通っていて同意できる、といったところも散見された。なんというかまさに戦中の日本人、といったところか。

靖国問題の大きなファクターとして、戦中、「お国のために」「靖国で会おう」と言って死んでいった人々の遺族感情がある。もちろんそれはそういった「装置」に騙され、洗脳されていたわけだが、靖国に祀られて神になったと自らを慰めていた人たちの感情を抜きにして靖国を語ることはできない。そして、本書はそういった人たちの感情のいくらかを代弁しているところが奥深くに感じられ(実は直接的にはそれほどではない)、論理はトンデモでも、そういう意味でも読んだ意義があったかなと感じられた。

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『靖国問題』高橋哲哉(筑摩書房)読了

明治以降、靖国神社の果たしてきた役割、そして、戦後靖国神社がたどった道筋を整理している部分については大変判りやすい。

なかでも雑誌「主婦の友」に掲載された「母一人子一人の愛児を御国に捧げた誉れの母の感涙座談会」の引用は、靖国神社がいかなる「装置」であって、そのいびつさがどのようなものであったかをあぶり出す非常に興味深いものだった。

そのように事実関係の整理部分については、頷きながら読めていたんだが、終盤になって「靖国神社をどうすべきか」という問題についての筆者の考えに至ると、とたんに首をかしげざるをえないようなラディカルさに直面することになった。

「どのような性格のものであれ、公立の追悼施設自体が顕彰施設となりうる危険性をはらんでいる」。これは判る。

が「であるから、そういう施設を建設しても、問題のない形をとるためには日本が戦争責任を認識し、非戦・平和主義を完全非武装によって担保しなければならない」というのは、論理的には(いちおう)破綻はしていないものの、あまりにも現実と乖離していて、ビックリしてしまう。

現在の社会状況でとても可能とは思えないことが唯一の答えであるならば、靖国問題(日本の戦争責任問題という広い意味でとってもいい)を解決を考える気が本当にあるんだろうかと疑いたくなってしまうような一足飛びな結論だった。

ただ、最初に書いたように事実関係の整理についてはとてもよくまとまっていると思うので、そういう意味ではおすすめできる。

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トレッキング(鶏冠山~竜王山)

行楽日和の秋の3連休におなじみのコースをトレッキング。いい天気の休日なだけあって、かなりのにぎわいを見せていた。

今回も8kg程度の極軽の荷物に、シューズはラ・スポルティバのブシドー。少し違うのは少々スピーディな行動を心がけたところ。結果、コースタイムの4~5割ほどの時間で歩き終えたが、右かかとに今までしたこともないほどの靴ずれを起こした(左かかとも多少)。当然、途中で痛みを感じていたから処置をしていればそこまでひどくはなかっただろう。ただ、今回はバックパックを下ろすのも面倒だったし、いったいどれぐらいの負傷になるのかもちょっと興味があったので、そのまま行ったが、やり過ぎだった。けど、このシューズはフィットしていると思っていただけに多少ショック。ただ、今思えば、シューレースの締め方が少し甘かったかもしれない。

いちおうこれも経験。

『RAIL WARS!―日本國有鉄道公安隊 1~9』豊田巧(創芸社)読了

国鉄が民営化されなかったら――というifストーリィが本シリーズの基本ラインなんだが、エピソードとしてはテログループとの対決がメインなので、ほとんどがアクションもの。ラノベとして絵が映えるというのは判るけど、アクション以外の「民営化されなかった国鉄」ならではのエピソードも見てみたい気はする。

とはいえ、アクションばかりの展開も、暴走キャラがそれなりに立っているため、そこまで鬱陶しくない。また、俺にはよく判らないけど、鉄道に関するギミックもそれなりに考えて挿入されてるようで、そのあたりの基本路線を外さない感じもよいと思う。

ちょっと気になるのは主人公高山の国鉄に関する思いの変遷(不採算路線を廃線にすべき、と言っていたのが、(おそらく)国鉄で働く人と触れ合っていくうちに、国鉄はこのままでいいと答えるようになってしまったメンタリティ)。が、ここは今後またストーリィに関わってくる可能性はありそうだ。

ともあれ今後も読んでいきたいシリーズ。

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